夏らしさを経験しなかった人の免疫力低下が心配
こんにちは弘邦医院院長の林雅之です。本日のテーマは「この夏の後遺症」についてです。皆さん、今年の夏は新型コロナの影響で外出自粛で家に閉じこもり、クーラーの効いた部屋で過ごした、という人は大勢おられるのではないでしょうか?精神的なストレスは別にして、体力的にはストレスを感じず、実は例年に比べて過ごしやすい夏だったと感じている人もいると思います。そういう人は逆に言うと、今年の夏は体を甘やかせた、ということでしょう。そのツケは、秋・冬に払わされるかもしれません。夏らしさを経験しなかった人は今年の冬は、新型コロナはもちろん、風邪やインフルエンザなどのその他の感染症により気を配る必要があると思います。 理由は夏こそが免疫力を鍛える季節だからです。人間にとって体の中で代謝するのに都合が良いのは体温が36~37度です。この体温を維持するため、知らず知らずのうちに内臓の働きを調整する副交感神経が活発になり、体内でさまざまな調整を行います。例えば、気温が28度を超えると、自然に汗を出すための汗腺が自然と活動を開始して、成人では1日3~4リットルの汗を出します。その
クーラーと食物繊維の多い食事で夏の便秘を予防
こんにちは、弘邦医院院長の林雅之です。本日のテーマは「便秘」です。ご存知の方も多いと思いますが、夏は便秘になりやすい季節です。理由は、暑い屋外とクーラーなどに寒すぎる室内とを行き来することで、自律神経のバランスが狂ってしまううえ、暑さから寝不足になったり、食欲がなくなったりするからです。薄着になり、クーラーの冷たい風が体を冷やしたり、冷たい飲み物や食べ物ばかりを取り過ぎることも問題です。体が冷えて血液の循環が十分でなくなるうえ、偏食により、便が作りにくくなることもその理由です。 では、そうした夏の便秘はどのようにして改善すればいいのでしょうしょうか? 一つはクーラーの使い方です。室温を低く設定するよりも、クーラーと扇風機を併用することで空気の循環を良くする方が、部屋全体の温度を下げることにつながります。また、寝る時は就寝前1時間くらい前からクーラーを入れて、タイマーで就寝3時間位で切れるように設定するといいでしょう。寝る前にクーラーを入れる目的は、部屋と寝具を冷やすためです。寝る時にひんやりした寝具に包まれると寝入りがスムーズです。よく暑いからと
子どもの不登校
こんにちは、弘邦医院院長の林雅之です。本日のテーマは「子どもの不登校」です。最近、ある女性の患者さんから「相談」を受けました。高校生の孫が不登校になり、困っていると言うのです。高校生は私立高校で、学校をやめて公立高校に転入したいというのですが、東京都では私立高校から公立高校の転入制度はあるものの、私立高校を退学してから試験を受けなければならず、受からなければ高校中退になるそうです。聞けば、お孫さんが通っている私立高校は進学校として名の知れた高校です。公立高校ならどこでも良いというわけにはいかないようです。 高校の先生をしている別の患者さんにそれとなく話をすると、「恐らく、親御さんが一流大学に行け、とがみがみ言っているから子供が勉強集団の高校が嫌になるだけで、学校は楽しいはずなのになあ」と言って、自分が通っている高校が合わずに辞めた場合、通信制、定時制、高校認定、留学などの手段があることを教えてくれました。ただし、それを続けていくにはかなりの精神力が必要なのだそうです。そのため、通信制高校に行きながらそれをサポートする、サポート高校に通うのが無難な
夏だから塩分をたくさん取るのは正しいの?
こんにちは、弘邦医院院長の林雅之です。本日のテーマは「塩分」です。お盆が過ぎても暑い日が続いています。「汗をたくさんかくから塩分を多く摂った方がいい」と言われますが本当でしょうか? 塩分が多すぎると塩分の摂り過ぎを注意されている患者さんはどうしたらよいのでしょうか? 確かに汗と共に塩分が体の外に排出することで塩分不足になる人がいるのは事実です。しかし、それは炎天下でも体を動かす作業をする人やスポーツの人であって、部屋で事務作業をする人のことではありません。にも拘わらず、夏だから濃い目の味噌汁や普段は飲まない、ラーメンのスープを飲み干すなど、意識して塩分を多めに摂る“努力”は必要ありません。海の中にいた生物が陸に上がり、進化した結果生まれたのが人間です。ですから、人間は自然と塩分を摂るようにできているのです。わざわざ意識しなくても知らず知らずのうちに必要量の塩分は摂っています。塩分が体的な腎臓を患っている人や血圧が高い人などは、「夏だから…」「汗をかくから…」などを言い訳にして、大好きな塩分を過剰に摂らないよう、節制しなければなりません。
ブームの無糖炭酸水は健康にいいのか?
こんちには弘邦医院院長の林雅之です。本日のテーマは「無糖炭酸水」です。みなさんの中には、自動販売機などで手軽に手に入る缶コーヒーや缶ジュースの中に甘くて疲れを取り、気分も上がるものが多かったことを覚えている人もいるでしょう。これらの飲料の中に大量の糖分が含まれていて、血糖値を上げることで元気にしていたのです。ところが、それが糖尿病の原因のひとつになることが世界中の複数の研究で明らかになり、最近はこれらの甘い飲料に代わって、無糖炭酸水が人気になっているのです。 人気の理由は飲み心地が良いことに加えて、炭酸が胃の中で広がるため、食前に飲むと食べ過ぎを防いでくれるからです。 ただし、炭酸は弱酸性であることから薬との飲み合わせが心配、歯のエナメルを溶かすのではないか、胃を刺激して胃酸過多になるのではないか、などという説が生まれ、健康的か否かについては否定的な意見も少なくありませんでした。 しかし、酸性かアルカリ性かは0~14のPHで示され、「酸性」は0、「中性」は7、アルカリ性は14で、炭酸水はPH4・6くらいの弱酸性です。強酸の胃酸に比べると、他山水は
マスク頭痛に気をつけて
ようやく関東甲信越地方も梅雨明けとなり、本格的な夏がやってきました。海だ、山だ、ビアガーデンだと、わいわいがやがややりたいところですが、新型コロナ感染症が急拡大している今は、そうはいきません。都心を歩いていても、マスク姿ばかりでなにやら窮屈な感じがします。 そんななか、話題なのがマスク頭痛です。マスクを長時間装着することで、マスク内でとどまった二酸化炭素を再び吸うことで肺が酸欠状態になり、頭が痛くなるのです。私のクリニックにも最近、そんな症状を訴えて来院される患者さんが増えています。 マスク頭痛の原因は他にもあって、マスクのゴムが側頭筋を刺激して緊張型頭痛を起こす場合もあります。 では、それを防ぐにはどうすればいいのでしょうか? 当たり前のことですが、長時間マスクをしている人は極力マスクを外すことです。公園のベンチに座るのもいいですし、会社の空き部屋でぼっと過ごすのもいいでしょう。そこで思いっきり新鮮な空気を吸いましょう。いやいや、勤務時間中はそんなところへは行けないよ、というのなら、窓を開けて外を見ながらマスクをはずして空気を吸うといいでしょう