2日酔い防止にはトマトジュース割がおススメ
抗酸化作用はビタミンEの100倍 =50分早く覚める= こんにちは弘邦医院院長の林雅之です。本日のテーマは、「トマト」です。夏野菜の代表的な野菜ですが、最近は温室栽培により一年中食卓に載るようになりました。 トマトは低カロリーでビタミンが豊富なことが知られています。風邪の予防に役立つビタミンCや老化を抑制するビタミンE、塩分の排出を助けるカリウム、さらには腸内活動を促す食物繊維などがたくさん含まれています。 しかし、トマトの栄養素として最も知られているのは「リコピン」や「βカロテン」でしょう。カロテノイドの一種で、これらは私たち人間が酸素なしで生きていけない以上、どうしても出てしまう、活性酸素を除去する、抗酸化作用があります。 とくにリコピンはこの作用が強力で、β―カロテンの2倍、ビタミンEの100倍とも言われています。 ならば、今日から生でトマトをバリバリ食べよう、と思われる方もおられるでしょう。しかし、不思議なことにリコピンは生で摂取するよりも、油などと一緒に摂った方が、吸収力が高まることがわかっています。ですから、塩で味付けした生よりもドレ
「皮膚と脳を騙しているだけで熱中症は防げない」
=大事なのは血管を冷やすこと= こんにちは弘邦医院院長の林雅之です。本日のテーマは「熱中症と冷感グッズ」です。6月に入り気温がぐんぐん上がり、汗がシャツにまとわりつく、嫌な季節がやってきました。昔は、扇風機にあたったり、冷たい飲み物を飲んだりしたものですが、最近は「冷感グッズ」を好む人も多いようです。 冷感グッズとは衣服にかける「冷感スプレー」や皮膚に塗る「冷感クリーム」などのことを言います。こうしたグッズにはアルコールやメントールが入っていて、皮膚表面の熱の籠った汗を一気に気化してくれます。それにより、皮膚表面の体温が急激に上がり、涼しい感覚をもたらすのです。ところが、実際には体の中の体温を下げているわけではありません。単に、第二の脳と言われる皮膚と体温調整に関わる脳をだまして、“いま涼しくなった”と錯覚させているに過ぎません。そうすると皮膚や脳は、体内の熱を汗と共に体外に放出して熱を下げる、という指令を出さなくなるのです。 結果として体温がどんどん上昇して熱中症にかかりやすくなってしまうのです。 よく、熱が出たときにおでこに「冷却ジェルシート
新型コロナ、第三波は防げるのか?
こんにちは、弘邦医院院長の林雅之です。本日のテーマは「新型コロナ、第三波は来るのか?」です。外出自粛が全面解除になったことで、新型コロナへの関心が薄れているようです。日本では東京を除いては、感染者が抑えられています。いまの状況では国内で新たに感染爆発が起こるような状況とは思えません。 どうやらこの未知なるウイルスに対して、日本人は欧米人に比べて特別強い防御力を持っているようです。それは、先祖がさまざまなウイルス感染してきたことで獲得したものよるものかもしれませんし、体を接せずに挨拶したり、毎日お風呂に入ったりするなどの綺麗好きな生活様式にあるのかもしれませんし、子供の頃にさまざまなワクチンを打つことで獲得したもののおかげかもしれません。 とはいえ、海外では依然として多くの人が新たに感染し、亡くなる人も増えています。現在、日本では豪州、ニュージーランド、タイ、ベトナムの4カ国のビジネスマン以外は入国できません。ですから、次に、新型コロナの感染爆発がくるとしたら、その他の国の人々が自由に日本に入ってくるときです。 実際、日本国内で新型コロナウイルスの
小学校高学年の子供は屋外で遊ばせた方がいい
こんにちは、弘邦医院院長の林雅之です。本日のテーマは「こどもの近視」です。お子さんをお持ちの親御さんの心配事のひとつにお子さんの近視があると思います。目が悪いのは親の遺伝だと考える人は大勢いますが、必ずしもそうではありません。環境も大きく影響します。実は中学生の近視の原因の多くは小学校高学年時の屋外活動時間にある、という話があるのです。ご存知ですか? 5月にウエブ開催された日本眼科学会で、慶應義塾大学医学部眼科学教室の研究者が報告しています。研究は東京都内の私立中学に通う生徒を対象に、小学生時における屋外活動時間が中学生時の屈折値に影響を与える可能性について検討したものです。607人の右目を解析し、近視でない、近視、強度近視の3群に分けて、現在並びに過去の1日の屋外活動時間の関係を調べたところ、中学生で近視でない群は小学校高学年時に1日平均74.3分屋外で過ごし、近視群はそれが60.6分、強度近視群は49.6分と、3群間に差が認められたと報告しています。 むろん、これをもって小学校高学年時に1日平均74・3分屋外で過ごせばメガネいらずになる、とい
空腹時血糖と食後高血糖を同時に解消する注射薬
こんにちは、弘邦医院院長の林雅之です。今回のテーマは、糖尿病の新しい注射薬・ランタスについてです。皆さんもご存知の通り、糖尿病が怖いのは血糖値が高くなるからではありません。高くなることで、失明につながる糖尿病性網膜症や心筋梗塞・脳梗塞など、重大な合併症を起こすからです。そのためこれまでは通常(空腹時)の血糖値を下げる薬が開発されてきました。ところが、近年、薬で空腹時血糖は抑えられても、食事をした直後に血糖値が跳ね上がる、食後高血糖を抑えられない人がいることがわかり、その対策が急がれてきたのです。 健康な人は食事をしても血糖値はそれほど大きくは上がりません。しかし、食後高血糖の人は、食事をしてから1時間くらいしてから血糖値が急激に上がることで血管内皮にダメージを与えることがわかっています。その結果、脳の血管が破れて出血する脳出血や濃厚そう、心筋梗塞、がんなどの発症リスクが高まるといわれています。 食後1時間後に140mg/dlを超えると血糖値スパイクといい、この値が180を超えると心臓病で亡くなる確率が高いことが明らかになっています。 では、なぜ血
「脳」の冷却装置「鼻」をマスクで塞いではいけない
こんにちには、弘邦医院院長の林雅之です。今回のテーマは「鼻」です。皆さん、鼻というとどのようなイメージを持っておられるでしょうか? 空気の通り道、臭いを嗅ぐ装置、風邪や花粉症で詰まってしまう厄介な臓器…。むろん、どれも正しいのですが、鼻には脳を冷やす冷却装置という役割があることを忘れてはいけません。 頭蓋骨を見ると、顔の骨には左右4つづつ、計8個の空洞があることがわかります。いわゆる副鼻腔です。その鼻腔上壁と頭蓋腔との境は薄い篩板で仕切られており、大脳(前頭葉)と鼻粘膜との距離はわずか数ミリしかありません。つまり、すべての臓器の司令塔である「脳」には鼻を通じて空気が流れ込む空洞が8つあり、そこに集まっている鼻粘膜の毛細血管の血流を増やすことで粘膜の水分を蒸発して放熱量を多くすることで、加熱しがちな「脳」を冷やしているのです。 脳は約20Wの熱を産生すると言われています。それを毎分5リットルの血流によって放熱されているとされています。脳の温度が40・5℃を超えると脳を構成する、たんぱく質が変異してしまい機能障害を起こすからです。それを避けるために、
気になるポッコリお腹を解消する
こんにちは、弘邦医院院長の林雅之です。本日のテーマは「ポッコリお腹の解消」です。皆さんの中には、ズボンのベルトがめり込むポッコリお腹をなんとかしたい、と考えている人も多いと思います。薄着の夏では目立ちますからね。しかし、一度だぶついたお腹を引き締めるのは容易ではありません。 大抵の人は腹筋運動すればいい、と思うようです。しかし、お腹のたるみは腹筋だけ鍛えても解消しません。太ももの裏など、お腹を支えるための筋肉全体のたるみを引き締める必要があります。 歳をとってお腹がせり出してくるのは、筋肉量が減って内臓を支えられなくなるからです。さらに老化で腸の動きが悪くなりガスや便がたまる、内臓脂肪や皮下脂肪がたまるなどが加わり、お腹がせり出してくるのです。 ではどうしたらいいのでしょうか? 私はまず、腸の動きをよくするために体をねじる運動をおススメしています。あおむけに寝て両膝を立てた状態で足を左右に振る、立ったまま、体を左右にねじるなどもよいでしょう。腸の蠕動運動を助ける腸腰筋をほぐすエクササイズも効果的です。手を後ろで組んで両足を肩幅に開き、片方の足を前
1杯の水が命を救う
こんにちは、弘邦医院院長の林雅之です。今回のテーマは「熱中症対策」についてです。熱中症とは体内の水分や塩分のバランスが崩れることで起こる、めまいやけいれん、頭痛、意識障害などの症状を言います。毎年が多くの方が救急車で運ばれます。昨年の5月~9月までに全国で7万1317人が救急搬送され、うち126人が亡くなっています。 今年は新型コロナの影響でマスクをつけたまま過ごすという前例のない状況で熱中症シーズンを迎えるため、一体どれほどの人が熱中症になるのか、予想もできません。とくに高齢者は例年以上に水分補給には注意しましょう。 とはいえ、水分なら何でも良いわけではありません。コーヒーやビールなどは利尿作用がありますから、飲んだあとに水分がおしっことして排出してしまいます。できれば、水や麦茶などカフェインが入ってなくて飲みやすいものがいいでしょう。 気をつけたいのは夜中の熱中症です。夏になると、朝起きると頭痛がするという人がいますが、それは夜中に寝汗をかくなどして知らず知らずのうちに脱水症状になっているからです。そのせいで血栓ができて朝方に起きて体を動かす
素人判断で水虫治療をしてはいけない
こんにちは、弘邦医院院長の林雅之です。今回のテーマは「水虫」です。水虫は高温多湿を好むため、梅雨から夏に向けて活動が活発になり、急激に増えていきます。いまの時期、気になっている人もいるのではないでしょうか? 水虫の原因である白癬菌(はくせんきん)はカビの一種です。ヒトの皮膚の最外層の角質の成分であるケラチンを栄養として繁殖します。 ひと口に水虫と言ってもさまざまなタイプがあります。指と指の間にできる趾間(しかん)型、水ぶくれができる小水疱(すいほう)型、角質が硬くなる角質増殖型です。 角質増殖型は痛みやかゆみがないことが多いため気付きにくいことが特徴です。ですから知らぬ間に白癬菌が爪に入って爪白癬になったり、家族に水虫をうつしたりしてしまうことがあります。 患者さんの中には“どうせ病院に行っても水虫は薬で治すのだから薬局で薬を買って塗ればいい”と簡単に考える人がいますが間違いです。素人判断だと水虫と他の病気を間違えることがあるからです。 例えば足がかゆくても水虫でない場合も少なくありません。足の裏に水ぶくれができるものには、汗が皮膚の下にとどまる