「脳」の冷却装置「鼻」をマスクで塞いではいけない

こんにちには、弘邦医院院長の林雅之です。今回のテーマは「鼻」です。皆さん、鼻というとどのようなイメージを持っておられるでしょうか? 空気の通り道、臭いを嗅ぐ装置、風邪や花粉症で詰まってしまう厄介な臓器…。むろん、どれも正しいのですが、鼻には脳を冷やす冷却装置という役割があることを忘れてはいけません。

 頭蓋骨を見ると、顔の骨には左右4つづつ、計8個の空洞があることがわかります。いわゆる副鼻腔です。その鼻腔上壁と頭蓋腔との境は薄い篩板で仕切られており、大脳(前頭葉)と鼻粘膜との距離はわずか数ミリしかありません。つまり、すべての臓器の司令塔である「脳」には鼻を通じて空気が流れ込む空洞が8つあり、そこに集まっている鼻粘膜の毛細血管の血流を増やすことで粘膜の水分を蒸発して放熱量を多くすることで、加熱しがちな「脳」を冷やしているのです。

 脳は約20Wの熱を産生すると言われています。それを毎分5リットルの血流によって放熱されているとされています。脳の温度が40・5℃を超えると脳を構成する、たんぱく質が変異してしまい機能障害を起こすからです。それを避けるために、脳を保護するためのシステムが備わっています。これを選択的脳冷却機構と言います。通常、脳の温度を反映する鼓膜の温度は食道の温度よりも高いのですが、脳が過熱すると選択的脳冷却機構が働いて鼓膜の温度は食道の温度よりも低くなるのです。

 口呼吸してはいけない、と言われるのは、実は鼻による脳の冷却がうまくできなくなるからなのです。

 さて、今夏は、新型コロナのためにマスクをつけたまま過ごす人が多くなるでしょう。私が心配しているのは、マスクをしていると、体の中の熱を逃がすためでもある、温かい吐息を再び吸うことになり、脳の冷却がうまくいかなくなる恐れがあることです。どうしてもマスクをしなければならないときは、脳を冷やすためにエアコンを24~25度に設定する代わりに、体を冷やし過ぎないように上着やカーディガンを羽織ったり、ひざ掛けを使用することを検討した方がいいかもしれません。

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