卵について
こんにちは弘邦医院院長の林雅之です。本日のテーマは「卵」です。昔から卵は栄養バランスのとれた完全栄養食品といわれています。完全栄養食品とは、健康を維持するために必要な栄養素を含む食品のことで、タンパク質、脂質、ミネラル、ビタミンがバランス良く含まれています。とくにたんぱく質は必須アミノ酸9種類を豊富に含んでおり、別に食物繊維とビタミンCを食べれば栄養的には事足りるといわれています。ところが、この完全栄養食品の卵も長い間食べ過ぎてはいけないといわれてきました。それはコレステロールが多く含まれているため、食べ過ぎると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めるのではないか、と考えられてきたからです。
その考えに賛成する研究者と反対する研究者が長い間議論を戦わせてきたのですが、ようやくその結論となる研究論文が英国医学雑誌に今年3月、発表されました。
研究の対象となったのは女性看護師のデータ2つと男性医師のデータ1つの計3つのデータです。21万5000人余りを1カ月以内に卵を1個未満食べる人、月に1~4個未満の人、週に1~3未満、3~5未満、5~7未満、1日1個以上の6つに分類して心臓病や脳卒中の発症との関係を最大32年間追跡調査したところ、1カ月1個未満でも1日1個以上でも変わらなかったというのです。つまり、研究を信じる限りは卵を何個食べようが大丈夫ということです。私も卵は大好きです。今日からはコレステロールを気にせず自由に食べることにします。