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新型コロナはなぜ風邪症状があって肺炎にもなるの?

こんにちは、弘邦医院院長の林です。本日の話題は「新型コロナウイルスはSARSに似ているのに風邪症状が出るのか」についてです。7都道府県に緊急事態宣言が出て2週間近くになります。家に閉じこもるのもソロソロ飽きてきた、という人も多いのではないでしょうか? 新型コロナについてこれでもかと報じるテレビや新聞にも飽きて外に出る人が多いようです。日曜日は私の自宅近くの公園でも目に見えて走ったり、散歩したりする人の姿が目立ちました。

 さて、大騒ぎしている新型コロナですが、実は何物かよくわからない人が少なくないようです。ちょつとだけ解説します。

 新型コロナウイルスは致死率10%近いSARS(重症急性呼吸器症候群)と親戚の関係にあります。何千年、何万年も前に共通祖先がいてそこから分岐して生き延びてきたウイルスです。コロナウイルスは動物ごとにいてヒトにうつるのは7種類で、風邪を発症させる4種類と、SARA、MERS(中東呼吸器症候群)、そして今回の新型コロナの3種類です。新型コロナの遺伝子はSARSと8割同じで、違う2割はよりヒトに感染しやすいようい変異したと見られています。例えば風邪を引き起こすコロナウイルスが上気道で感染するのに対して、SARSは肺などの下気道で感染します。そのため、SARSはくしゃみや咳といった上気道感染で起こる風邪症状が出にくいことが報告されています。ところが新型コロナウイルスは下気道、上気道ともに感染できるのです。そのため風邪症状が出るうえ肺炎にもなるのです。

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